大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和37(オ)1053 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人の上告理由第一点について。

原判決が「左記のとおり補充する外ここに引用する原判決理由の記載と同一であ

る」と判示した趣旨は、右補充部分の外原判決(一審判決)の理由の記載を全部引

用する趣旨であることが明らかであるから、その引用部分を明示しなかつたからと

いつて、違法あるとはいえない。

また論旨のいう、原判決の離婚原因に関する事実認定を左右する新たな証拠はな

いとの判示および慰籍料額が不相当であるとの新たな資料がないとの判示は、原審

において新たに提出された所論乙一号証ないし同三号証の外、一切の証拠をも斟酌

した上、離婚原因に関する事実認定および慰籍料額の算定について一審判決と同様

の結論に達したものであつて、新たに提出された前記各証拠を以てしても右判断を

覆えすに足りないとの趣旨を示すものであることを窺うに難くなく、右各書証の記

載内容の外各証拠関係に照して原判決の右認定ないし判断は首肯するに足るところ

である。

以上所論は結局、独自の見解に基づき原審の事実認定証拠の取捨判断を非難する

に過ぎないから、採用できない。

同第二点について。

原判決およびその引用する一審判決挙示の証拠関係に照せば、上告人が老人に似

合わず被上告人に対して執拗に夫婦関係を要求するので被上告人が疲労と衰弱のた

めたえがたい毎日を過すようになつていたことおよびその他判示する各事実を綜合

して、上告人および被上告人間に婚姻を継続し難い重大な事由があるとした原審の

- 1 -

判断は、首肯できる。その他所論は、原審の認定しない事実に基づき原審の事実認

定証拠の取捨判断を非難するに過ぎないから、採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 石 坂 修 一

裁判官 五 鬼 上 堅 磐

裁判官 横 田 正 俊

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!